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ゴッサム・シティの大会社ウェイン・エンタープライズの社長ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)は、少年時代に、大富豪である彼の両親が目の前で殺されるのを目撃する。
強いトラウマと犯罪者への憎悪を抱いたまま青年へと成長したブルースは、武術を学ぶ為に旅に出る。 ヒマラヤの麓にやってきた彼は、山奥の山院に住む“影の同盟”のリーダー、ラーズ(渡辺 謙)と武術の達人、デュカード(リーアム・ニーソン)に出会う。 彼らを師と仰ぎ、厳しい教えを受けたブルースは戦うための様々な技術を身につけていく。
成長したブルースが舞い戻ってきたゴッサム・シティは、暴力と不正がはびこる悪の帝国へとさらに腐敗が進んでいた。 彼は両親の死の幻を見、ゴッサム・シティの犯罪に立ち向かうことが自分の進むべき道だと悟る。 亡き父の遺した武器を手に、悪と対峙することを決意する。
これがバットマンの誕生である。 昼はウェイン・エンタープライズの社長として、夜はバットマンとして悪を次々と倒していくブルース。 そのころ、心理学者クレインが怪人スケアクロウに変貌し、人々を恐怖に陥れていた。 そしてその魔の手は、ブルースや、彼が思いを寄せる幼馴染のレイチェル(ケイティ・ホームズ)にまで忍び寄ろうとしていた…。 |
「バットマン ビギンズ」は、ブルース・ウェインが、どうしてあのようなコスチュームを身に着けて戦うバットマンとなったかを描いた物語。
いままでの映画版バットマンの物語にもっとも先立つ、バットマン誕生のエピソードであるという意味とともに、過去の作品とはまったく違う設定で、新しいキャラクターとしての「バットマン」であるとの監督の思いが込められた「ビギンズ」なのです。
ところでクリストファー・ノーラン監督、実はビギンズと旧作のDVDとのセット販売を拒否しているそう。この作品が“BIGINS(はじまり)”であり、それ以前の4作品とは別の世界観の作品なんだ! との監督の意気込みがあらわれているのかもしれませんね。
過去の4作ではブルース・ウェイン/バットマンより、どれも敵キャラの狂気や悲哀にウェイトが置かれていました。
ですが、今回は、両親を殺された幼い子供が、少年から大人の男へ成長していく姿と、彼がいかにしてバットマンになったかに焦点があてられています。
過去作でも断片的に語られてきた彼の過去の悲劇をたどりつつ、いままでは語られなかったバットマンの人間像をリアルに描く、いわばブルース・ウェインという青年の成長物語でもあるのです。
単なるヒーローアクション映画に終わらないドラマが描かれている、といえるでしょう。
今回のバットマンの特徴は、「こだわり」です。
特に「なぜ?」という理由付けを執拗に追求するノーラン監督の姿勢から細部に渡って作りこみされ、深いバットマンワールドを構築しています。
そのこだわりの「なぜ?」をピックアップしてみました。
バットマン世界に登場するさまざまなマシンやメカ類の独特な魅力は、これまでもバットマンファンの心を捉えてきました。
- 「バットマン ビギンズ」に登場するバットモービルは、これまでのものとはまったく趣を変えています。
今までの曲線主体のバットモービルと大きくちがうのは、複雑な平面から構成された戦闘的なスタイルになったこと。
市街地を走るためのマシンというより迷彩色に彩られ、タイヤも増加した戦車風となっています。
戦うためのマシンというリアリティを与えられた新しいバットモービルは、模型やCGを使わず実際に作られて、シカゴのロケ地で、本当に時速100キロを超えるカーチェイスに使用されたそうです。
画面にはバットモービルをちゃんと操縦するプロセスも出てきます。
デザインとして胸のバットマークがなくなり、光沢よりも柔らかさを感じさせる素材のスーツで、バットマンの身体的な柔軟さを際立たせ新しいバットスーツ。
身体を守り、身体機能を強化するバットスーツのテクニカルな面を強調したデザインは、なぜブルースがバットスーツを着るようになったのか。そしてなぜバットスーツはこういうスタイルになったのか。それらが観客にわかるように描かれています。
またブルースが作中で最初に作るバットスーツはグレーの透明な素材で表現されています。
その他にも、
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バットスーツやバットモービルだけでなく、おなじみのアンカー付きワイヤーを打ち出す銃や翼の代わりにもなるマントも、その型破りな魅力はそのままに、どうやって誕生したのかから、実際の使い方まで、しっかりとわかる描き方をされています。
「なぜ」を追求することによって、バットマンやゴッサム・シティ、バットモービルやバットスーツが新たなリアリティを獲得し、過去のシリーズとはまったく違う新しいヒーロー「バットマン」が登場したといえるでしょう。
いったい何が?
それはセットの数です。
「バットマン ビギンズ」で使用されたセットの数は163.!
この数がどれだけすごいかというと、大作でも平均60くらいだそうですから、この点からも監督のリアリティへのこだわりがおわかりでしょう。
ちなみに、アニメですが“Mr.インクレディブル”のセット数は100だそうです。コレもかなりスゴイ。
犯罪都市ゴッサム・シティの今回のイメージは、香港の九龍やロスのダウンタウン、ニューヨークのルーズベルト島。
狭い路地だらけの川に囲まれた島で“コントロール不能なカオス状態”を表しているとか。
監督が希望したゴッサム・シティは“実在すると観客が思うような街”だったそうです。
バットマンファンを、恐怖とともに魅了してやまない悪の街ゴッサム・シティのイメージは、バットマンシリーズのもうひとつの主役といえるのかもしれません。
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