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特集第三回 もっと高画質を!少し慣れてきた人のためのビットレート講座

こんにちは。ごきげんいかがですか? やまっちです。
みなさん今日も動画をエンコードしてますか?
HDDやビデオテープでいっぱいだったお部屋もすっきりさっぱりしてきましたか?
それともエンコードした動画でよけいHDDがぎっしりに?
うーん、もうそうなったら、いっそう動画ライブラリーをみっしり充実させるよう思い切ってがんばってみるのもステキなのではないでしょうか?


さあ、きょうのテーマは画質向上! です。
単純にエンコードしてAVIファイルを出力してメディアやHDDに保存する…それだけではすこし物足りなくなってきた方、もうすこし画質をあげてみたい…、そんなふうに思いはじめた方に画質とビットレートの関係についてお話したいと思います。


さて。より高画質を追求するために、効率の良いエンコードを行うために、ビットレートの設定はとても大切です。


DivXの圧縮技術の基本になっているのはMPEG-4ですね。
MPEG-4は高い圧縮率による携帯電話での動画再生など、画質よりファイルサイズダウンの側面ばかりがクローズアップされているきらいがあります。
「圧縮率は高いけど画質は悪い」そんな先入観を持つ人もいらっしゃるのでは?
しかし、MPEG-4はMPEG-2よりさらに進化した圧縮技術ですから、逆にいえば同じファイルサイズならより高画質を実現することが可能なのです。
もちろん、元の動画の画質を超えることはできませんのでご注意くださいね。
高画質ハイビジョン放送を保存したり、結婚式や入学式、卒業式などの家族の記念行事を撮影したビデオを保存したり、大切な映像をエンコードするときには、圧縮率だけではなく画質を向上させるための設定を心がけたい、そんなときもありますよね。
画質向上のためのポイントをいくつかあげてみたいと思います。

ビットレートを設定する。

ビットレートとは、単位時間あたりに何ビットのデータが処理あるいは送受信されるかを表す語。単位としては「ビット毎秒」(bps:bits per second)を使うのが一般的。圧縮された映像データや音声データが1秒あたりどのくらいの情報量で表現されているかを表したり、通信回線が1秒間にどのくらいのデータを送受信できるかを表したりするのに使う。
IT用語辞典 e-wordsより


動画においては、「一秒あたりの映像のデータ数をどのぐらいにするか」という意味で使われ、「kbps/kbits per second:キロビット/秒」という単位で表されます。
ビットレートは動画だけではなくて、音声ファイルでも同じ使い方をします。
たとえばMP3ファイルなら8/32/64/96/128(単位はKbps)といったビットレートを選択してエンコードを行いますが、一番データ量の多い 128kbpsなら「CD並みの音質」といわれてますが、逆に8kbpsなら「電話程度の音質」といわれています。
動画でも音声でもビットレートを高く設定すればファイルサイズは大きくなりますが、品質は高くなります。単純にいって動画の品質をあげるにはビットレートをあげること! です。
ファイルサイズが許すかぎりビットレートをあげましょう!
高ビットレート=高画質」コレは基本です。

可変ビットレートと固定ビットレート

VBRというのはVariable Bit Rate、「可変ビットレート」の略で、「ビットレートが一定ではない」ということです。
動画圧縮技術の多くは、フレーム毎の静止画をベースした圧縮のほかに、前後のフレームからの引き算によってデータ量を落とすという方法が採られています。
つまり映像の動きが大きくなれば、その差分は大きくなります。
反対に動きがほとんどなければ、差分は小さくなるのです。
これは元映像の内容によりますが、
せっかくのその違いを利用して、落とせる部分は思いっきり落としつつ、その分稼いだ分のデータを落とせない部分に割り当てて、やりくりしてなんとかファイルを小さく収めましょう」というのがVBRなのです。
「ファイルを効率よく小さく圧縮する」という点で優れた技術なのです。

可変ビットレートは動きの少ないシーンでデータ量を節約できる。

ところで、DivXには「1パスVBR」「マルチパスVBR」という概念があります。
可変ビットレートといいましても、まず最初はエンコーダーも、先にどんな動画が待ち構えているかわからないまま頭からある程度の線をふまえて圧縮をすすめていくことになります。
ですから最後の最後にいままでとはまったく系統の違う映像があらわれるとせっかくそこまで守ってきた指定の平均ビットレートを守ることができなくなってしまいます。 これが1パスです。
いわば「ぶっつけ本番、予測がくるったらそれなりに」方式。
そこで、まず一度動画を調べてログを書き出し、分析する方法があります。
「ここは動きが激しいからビットレートをあげるべきだな、ここは逆に思いっきり下げておこう。で、平均ビットレートはコレ」と決めた上で二回目に予測通りのものを仕上げるという方法があります。これが2パスVBR。
「綿密に計画を立ててよりよい仕事」方式ですね。
そしてマルチパスですが、これは1パス目のログに対して、さらにユーザーが手を加えることができるということなんです。
「この部分のクオリティをあげたい」などと、いろいろと調整できるということ。
要するに、マルチパスの「マルチ」とはログの部分に何度でも手を加えられますよ、という意味で、何度も圧縮するという意味ではありません。何度も圧縮したら、結果は汚くなるだけですからね。


このマルチパスがどれくらい有効かというと、それは元のムービーの性質とDivXの設定によります。1パスより2パスのほうが画質がいいのは明らかですが、 2パスと3パス目以降の違いは、「ユーザーが調整できるか否か」という程度なので、ユーザーにマルチパスに関する知識と「こういうふうにしたい」という明確な考えがないのなら2パスで十分ですよ。

圧縮しにくい映像とは?

ところでさっきVBRの説明の中で出てきた、「圧縮が難しい」部分とはいったいどんな映像でしょうか?  これも扱われている技術によって多少異なりますが、まあ一般的に言って、


  1. 動きの速いもの
  2. 細かなものがたくさん動いているもの
  3. ラインなどがたくさんあるもの

こういった映像が圧縮しづらいといえます。


1については「前後のフレームの差だけを送る」ということによってデータ量を減らしているのですから、前後がまったく違っていればこの方法は無意味になります。それだけ圧縮率は下がってしまうという理屈です。人物がじっと身動きせずに座っている映像と、その人物がいきなり踊りだす映像と、どちらが差が大きいかと考えれば一目瞭然ですよね。


2は具体的にあげると「満開の桜の花びらがひらひらと散る」「海の水面に波が立ち、光がキラキラと反射する」など。
動画圧縮技術の多くは、1ピクセル単位に差分を見ているというわけではありません。
たとえば15ピクセル×16ピクセルといったブロック単位でひとまとめに圧縮が行われています。それらのブロックごとにそれぞれ圧縮作業をして組み合わせていると、どうしても隣り合った部分の整合性がとれなくなってしまうことがあるのです。そんな時に出てしまうのが「ブロック歪み」(「ブロックノイズ」ともいいます)です。カクカクとモザイクがかかったような圧縮画像です。見かけたことはありませんか?


3.は、たとえば細いストライプの服を着た人が動いている映像などです。これも理由は2.と同じようなものです。通常のTV放送などでもときどきシマシマの服を着た人が動いてちらちらして見えることがあるでしょう。
このような動画をエンコードする場合、なかなかビットレートは下がらないし、画質は下がるし、サイズも小さくならない、と大変なことだらけです。

フレーム数を減らしてみる

映像の原理はみなさんご存知の通り、何枚かの静止画を高速に切り替えることで、あたかも動いているかのように見せることです。
パラパラマンガの要領ですね。基本的にはアニメも実写も同じ原理です。
そして、フレームレートとは1秒間に何枚の静止画(フレーム)で構成されているかということでfps(frames par second)という単位で表します。30fpsなら1秒間あたりにつき30フレームの静止画で構成された動画ということになりますね。
単純に、fpsが大きければ大きいほど滑らかな動画にはなりますが、画質も綺麗だとは限りません。フレームが増える分、それだけ多くデータ量も必要とるからです。


単純に説明してみましょう。


わかりやすく固定ビットレート(CBR)で考えます。たとえば、CBRで映像に300kbps のビットレートを割り当てたとします。そしてフレームレートを15fps に設定。
単純に計算すると1フレームあたり20kbps のビットレートが割り当てられることになります。
ところが、30fps に設定すると、1フレームあたり10kbps のビットレートとなってしまいます。1フレームあたりのデータ量は半分に下がり、画質も劣ってしまうという結果になります。
また、画質を維持して可変ビットレート(VBR)でエンコードした場合には、フレームが多いほどファイルサイズも自動的に大きくなります。
ですので、同じビットレートの場合、fpsを下げることによって画質をあげるこという選択もできるのです。動きの滑らかさより、一枚一枚の静止画に割り当てるデータ量を増やすやり方です。
フレームレートが小さいと1フレーム当たりに使えるデータ量が増えるため、ビットレート当たりの画質は向上する理屈です。例えば、映像によっては毎秒15フレームとしてもあまり違和感がない場合があります。


今回は、ビットレート、解像度、フレームレートの三つについてカンタンにお話してみました。
元の映像の種類や、ファイルサイズや、エンコードした動画に求めるクオリティなど、これらの設定にはさまざまな要素があって、どんな場合でも「これがベスト!」といいきれる万能のやり方はどうやらなさそうです。
ですが、今回説明したようなことを頭の片隅において、「自分は何を求めてエンコードするのか」をはっきりさせておけば、マルチパスを繰り返して眠れぬ夜を過ごすようなことはないのではないでしょうか。


なんだか人生論のような締めになってしまいました。
またお会いしましょう~。やまっちでした。

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